妊娠で花粉症になる…?
妊娠している間に、花粉症やそれに伴う頭痛が悪化した、もしくは初めて症状が出たとおっしゃる人は少なくありません。
その原因は解明されていませんが、ホルモンバランスの関係で鼻の粘膜が敏感になってしまったり、体質が変化してしまったりすることがあるようです。
しかし、市販薬の使用や注射の投与など、妊娠以前と同じような花粉症対策をしていると、もしかしたら赤ちゃんに悪影響が及んでしまうかもしれません。
妊娠中は、いつもとは違った対策をとる必要がありますね。
妊娠中に避けるべき花粉症対策とは?
妊娠5ヶ月以内はできるだけどの薬の投与もしないように、と言われています。
特に2ヶ月目から4ヶ月目(約16週)までは、赤ちゃんの臓器が作られる大切な時期なので、なるべくリスクは避けたいものです。
また、花粉症の症状緩和のためにステロイドの注射の投与をする場合あります。
一応ステロイドは妊娠中の体に影響はないとされていますが、様々な副作用が考えられるので、別の方法を検討した方が良いかもしれません。
妊婦していても安心してできる方法はあるの?
妊娠中の薬剤の投与をなるべく避けるために、花粉症の場合は目薬や点鼻薬などの部分治療をするのが無難でしょう。
例えば、花粉用でよく目にするロート製薬のアルガード点眼薬シリーズは、使用量や用途を正しく使えば妊娠中でも胎児に影響はないと言われています。
また、漢方で治療するという選択肢もあります。花粉症対策で定番の漢方薬「小青竜湯」は効き目も大きく、「医療機関でも処方する漢方なので安心できる」と、妊婦さんからの口コミも好評です。
これらは簡単に手に入る物ですが、使用したい場合はまずはかかりつけの産婦人科で相談を。妊娠中のお薬は「まず担当の産婦人科医に相談」が基本。自己判断は禁物です。
必要だと判断されたら、適切なお薬をお医者さんから処方してもらうか、市販薬を使用する許可を得ましょう。
その他にも薬や漢方などに頼らずに、外出時のマスクの装着や、洗濯物を室内に干したり、空気清浄機を使用したり、体内になるべく花粉を入れないようにする基本的な対策でも十分効果が期待できますよ。
あまりにも症状が悪化する場合は迷わず耳鼻科へ!
いくつか対策法をご紹介しましたが、万が一鼻づまりやくしゃみや頭痛が悪化するようであれば、無理せず耳鼻科を受診することをおすすめします。
また、花粉症とは別のケースとして、妊娠6ヶ月前後に鼻づまりのみの症状が出る場合、妊娠性鼻炎というアレルギー症状のおそれもあります。これは花粉症と症状が似ているため間違いやすいのですが、疑いがある場合は病院で診てもらうようにしましょう。
病院でできる治療としては、レーザーで鼻の粘膜そのものを焼いて症状を抑える治療法があります。こちらは保険も適用になるので、費用を抑えて手っ取り早く症状を緩和したいという方には向いているかもしれません。
また、自由診療にはなりますが、リノライトという特殊な光線によってアレルギー誘発細胞を抑制する方法もあります。
レーザー治療もリノライトも、現時点では妊娠中でも受けることが可能だと言われています。しかし治療の前後に体調が悪くなるなど、全く影響がないとは言えませんし、100%安全だと言い切ることももちろんできません。
こういった治療を受けたい場合は、まずはかかりつけの産婦人科医に相談し、OKが出たら次はそれらの治療の専門医に相談…といった段階を必ずふむようにしましょう。
無理しすぎるのは禁物。できる対策をとって
妊娠中だし…と何でもかんでも我慢しすぎてしまうのは禁物。母体のストレスは、胎児にとっても良い物ではありません。
妊娠しているとできることも限られてしまいますが、出来るだけ妊娠中も快適に過ごせるように、辛い時はただ我慢するだけでなく、さまざまな対策をとってみることをおすすめします。